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映画【トゥモロー・ワールド】

Tomorroworld5_2 子供が生まれなくなってしまった世界 ― もしそうなったとしたら、生き残されたものが命をいたわりあうようになるのではないか、と考えるのは楽観的過ぎでしょうか。おそらくそうなんでしょう。映画【トゥモロー・ワールド】では、世界各地が秩序乱れ、少しでも安定しているイギリスへと移り住もうとする人々が映し出されています。そんな中、子を宿した女性が現れるのですが、公にすることなく、政府がその母子をどのように扱うか疑心暗鬼になっている反体制組織に保護されています。彼女とその子を、つまり新しく生まれくる命をどのように守り抜くかを主人公セオを通して描かれていきます。
 理由や原因はよくわかりません。原作の中で説明されているの知りませんが、映画の中ではすでに人は子供を生むことができなくなっていました。近未来のSFの世界とはいえ、人類が不死の力を得ているわけではなく、新たに生まれくる子がないということであれば、現に生きている人間が老い、死に続ければ、人は滅びるということが予見されます。そう考えたら、とても尋常ではいられなくなるのかもしれません。精神的に追い詰められていく人もあれば、無常な閉塞感を外に吐き出そうとして人を傷つけようとする人も出てくることもあるかもしれません。実社会において子供が恵まれない夫婦が不妊治療や代理出産に臨んだり、養子縁組したり、夫婦仲睦まじく暮らしていったりするように、それぞれ様々な思いと行いを為そうとします。そこにはまだ子供をもてる可能性があります。個々人のレベルでは子をもてるようにしていくことができます。一方、国は人が子を安心して設けることができる社会環境を整えているでしょうか。スウェーデンやノルウェー、フィンランドのように社会保障がしっかりしている国もあります。発展途上にある国では貧しい状況にあっても、子供が生まれては次々と亡くなっていったり、HIVの問題に直面していたりします。日本においては、保育園・幼稚園不足、いじめの問題、女性の社会進出にともなって子供を育てていく環境が十分に整われているとは言えない様々なことが社会問題化しています。こうした状況が続くことで人の意識が変わり、子供をつくろうとすることはしなくなったり、悪しき環境に合わせていくように男女ともに身体的に退化していくことで本当に子を生むことができなくなっていったりする事態に陥るかもしれません。もしもそうなったとしたら、映画の舞台のようになっていくことだってありうるでしょう。そうならないように、法整備や社会環境作りを促進していく必要があるでしょう。そして我が家の“トゥモロー・ホーム”の行く末も見つめなおすことも忘れずに…。

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