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神様への供え物となる

 僕らはたまたまジューン・ブライドだった。2年前から6月は特別な月になった。そして特別な時間を過ごすということを思いついた。去年は奥様が中心となってパークハイアット東京に行った。最近はちょっとやってしまったけれど、その時の僕らは堪能した。今年は僕が仕切って、贅沢な時間を過ごすことになった。さて、どこにしようかと思い巡らせていた。(そうだ、去年はスパには行けなかった、今年こそは…)。その時、目に飛び込んできたのが《ここでしか味わえない》特別なマッサージがセットになった宿泊プランだった。そのホテルがロイヤルパーク汐留タワーであり、サマルパン・マッサージというものを受けられるという。聞きなれないサマルパンという言葉はサンスクリット語で、神様への供え物、贈り物という意味があるらしい。バリ島・ウブド1週間暮らしを2度体験したことのある僕は郷愁とともに無性にこのマッサージを受けてみたいと思った。温められたオイルが身体に降り注がれ、少し強め、でも程よく全身を揉み解される。この温かいオイルは絶賛ものだ。心地いい。女性には花のエキスもブレンドされた香りを伴ったオイルがあり、男性にはエキゾチックでスパイシーなものがブレンドされものが使われる。これはスパ側のお勧めであって、女性がスパイシーオイルを選んでもいいし、その逆もOKだ。今回は順当にお勧めをそのまま体験することにした。降り注がれる始めの一瞬はオイルの熱さを感じる。それは心地よい熱さだ。身体にひたされたオイルはセラピストの手によってマッサージを伴って上へ下へ、左へ右へと旅をする。疲れやコリがあるところでは多少、心地よくはあるが痛みを感じるものの、それを上回る、圧倒的な快感と癒しが全身を包み込んでいく。奥様は途中で眠りそうになったようだが、僕はそこまではいかないまでも夢心地になった。あっという間に終わってしまうのだろうな、50分なんて、と当初思っていたのだが、ゆったりとしたマッサージは時間をもゆっくりと進ませる力すらあるかのように十二分に満たされつつ時は流れた。途中、アビーに引っ掻かれた傷跡が残る足が、そしてぷよぷよしたわき腹が、夢心地とは裏腹に現実味を帯び、恥ずかしく感じた。しかしそれすらも一瞬でどこかへ吹き飛ばしてくれる魔法の手を持ったセラピスト。一番気持ちがよかったのは、身体の脇に置いていた腕をまっすぐ伸ばしたまま、頭のほうへと水平に円を描くように動かしながら施されたマッサージだった。これはそれまで受けてきた中でも極めつけのメニューだった。もっと、もっと円を描いてほしかったのだが、神様に捧げられる時間が迫ってきているようだった。そして遂に「Rhyme(らいむ)様~」とセラピストの声が天使のように投げかけられ、身体を起こされる。ふわ~っと天使と一緒に空に舞い上がりそうな感覚が残った。全身、脱力。幸せいっぱい、夢いっぱい、である。こうして神様への供え物となることで僕ら自身が癒されるという、神様からの贈り物を授かることができた。と同時にこれは僕から激務を重ねる奥様への贈り物でもあった。さて、来年の特別な時間はいずこで流れることになるだろうか。

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『んなか』日々暮らし随書言想」カテゴリの記事

コメント

そうだったのですかー。いいにゃー。気持ち良さそうですねぇ。私も、バリ島のリッツカールトンでアーユルベーダ(そんな感じの名前だったけど・・)というマッサージを夫婦で受けました。末永くずーーーーっと6月のご夫婦の贅沢を続けてくださいね。

投稿: ベルリン | 2006年6月27日 (火) 08時24分

 ありがとうございます、ベルリンさん。
いいですよね、バリ島。悠久の時が流れています。有給の休みが取れれば何度でも行きたいです。

投稿: Rhyme(らいむ) | 2006年6月27日 (火) 08時58分

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