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総額表示は驚愕表示

 総額表示が義務付けされましたね。消費する側も、消費していただく側もかなり戸惑いがあり、混乱に満ちたものがあります。さて、皆さん、次に挙げる中で、どれがいちばん気に入らないですか?
 これまでの税別計算方式であれば、本体価格150円のものを2つ買った場合、315円でした。以前本体価格が150円だったものが、
 A店では、総額表示158円として、2つ買うと、316円を請求されます。
 B店では、総額表示157円として、2つ買うと、315円で請求されます。
 C店では、総額表示160円として、2つ買うと、320円で請求されます。
さて、どれがいちばん気に入らないですか?

 A店は、1円の値上げにみえます。この場合で、あえて友達同士の二人が同じ金額のものを欲しくて、面倒なので、精算を一人が受けもち、2つのものの支払いを済ませた場合を考えてみましょう。あとで割り勘にすることになるのですが、これまでの税別計算方式では、一人は157円で、もう一人は158円になっていました。一人が1円多く支払っていたことになります。A店における総額表示計算では、このケースに当てはめると、二人とも同じ金額を支払うことになるので、ある意味、公平になっています。これまでの税別計算では、消費者側に多く負担させるケースがあった上に、不公平感もあったわけです。そして、今回のA店の総額表示では、消費者側に多く負担させる慣習を残しつつ、公平感をもたせることになりました。

 B店は、店内に『システム上の理由で・・・』どうのこうのと張り紙をして、事情を説明していましたが、総額表示157円のものを2つ買って、315円としてしまうのは、小学生でもできる足し算を大の大人ができていないことになります。システムのせいにしないでほしい。単価を税込みに設定するだけで片づいた話なのに。そのような設定ができないシステムというのも考えにくい。もしあるとするなら、そんなシステムを使っているほうがおかしい。わざわざ張り紙までして、私たちは足し算もできない馬鹿ですよ、と世間に知らしめているようなもの。こんなお店では買い物をしたくありません。

 C店は、総額表示導入当時は注目されて、気になるだろうけれど、そのうち慣れてきて、消費税がいくらだとかわからなくなるというのを見越してか、便乗値上げしてしまったケース。こっそりわからないように値上げしたつもりでも、注目を浴びている今、消費者は(このC店は値上げしやがったな)と思います。それに腹を立てる人はC店を利用しなくなるかもしれません。ピンとこなかった人は今後も利用するかもしれません。でも、そのうち総額表示に慣れてしまえば、うやむやになってしまいます。おぬし、うまいことをやったなぁ、てなことになるのかもしれません。

 さて、どれがいちばん気に入らないですか?

 そして、いちばん気に入られていいはずのD店。157円のものを2つ買って、314円を請求してくるケース。これを考えてみた場合でも、総額表示に慣れていない今、一瞬、(ちょっと値上げになったんじゃないの!?)と疑われてしまいます。これまでの税別計算方式で消費者側に多く支払いを負担していただいていたものをD店側で負担することにしたにもかかわらず、値上げしたと疑われて、わかりづらいと消費者にこぼされて、踏んだり蹴ったり。いまどき、蹴りたいのは、背中かサッカーボールか。ちなみに芥川賞を受賞した、綿矢りさの『蹴りたい背中』は総額表示で1050円です。

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