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挙式において着る衣服

 結婚をする私は間近に第1回目の打ち合わせを控えています。同じ日に私自身の服を見に行くことになっています。先般、挙式をあげる会場・八芳園で2、3着を着てみたのですが、私も、周りもピンとくるものではなかったのです。彼女の希望としてはフロックコートを着てほしいとのこと。背丈のある私にはよく似合うと思うから、というのが主な理由らしい。そのときにはロングタキシードも着てみました。どちらの様子を見ても、似合っているけど、ピンとこない。ピンとこないんだけど、似合っている、というわけのわからない状態に陥り、決めるには至らなかったのです。
 時間はあっという間に流れ、式については何も話し合われることなく、何も決まることなく、打ち合わせに行ってみないとどのように進めていいのかわからない状態で過ごしています。そんな折、今、読んでいる『古風の研究』に、タキシードはユニフォーム、という項目がありました。辞書的に、タキシードは男子の夜間用略式礼服だということです。丈が長かろうが、短かろうが、タキシードはタキシード、元々(今も!?)、夜用のものだったらしいのです。昼間に挙式する私には、場違いというか、時違いという代物なのかもしれません。このことが気になってネットで検索してみると、今では昼用の礼服として定着しつつあるようにも書いています。いくつか読んでみましたが、表現的に微妙、曖昧なものがあり、実際のところはよくわかりません。フロックコートに至っては、近代における農作業着が発展して、礼服となり、廃れていったものとあります。これらを読んでいくと、(おいおい、俺は何を着たらいいのやら)と考えあぐねてしまいます。古風に執着するなら、片や夜間用、片や農作業着、ということになります。前著にもある『昔からのルールにこだわる必要はないという考え方もある。…(略)…しかし、ルールはルールだ。』というくだりを読めば、なお一層頭を抱えます。また、『元々は正式な晩餐会などに着ていく「ユニフォーム」だ。…(略)…いわば、自分を大勢の中の一人に埋没させるためでもある。』ということであれば、新郎たる私は目立っていいのだろう。それならば、夜用だと言われようが、ロングタキシードでも、農作業着に由来していると思われるフロックコートでも、来賓が着てくることはないことからしても目立つわけで、どちらを選んでもいいと言うことになろう。とはいえ、花嫁より目立つわけにもいかないので、私は着せ替え人形となって、彼女のお好みを尊重しつつ、自分のウェアを決めることにしよう。
                          山﨑武也『古風の研究』を読んで③

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